新宿のミニコミ書店「模索舎」に置かれていた
『スパルタシスト』のビラ
11月5日付の『SENKI』の記事において、我々スパルタシスト・日本グループによる10月21日の戦旗への電話について言及されていました。電話の内容は、ロフト・プラス・ワンで自称ファシストが戦旗の支持者数人によって十分に思い知らされた事件に関してでした。我々は、戦旗との大きな政治的見解の相違にもかかわらず、ファシストに対しては明白に戦旗を擁護する立場に立つと述べました。さらに、ファシストからさらなる脅しを受けた場合、連絡して欲しいと言いました。
我々は、あからさまなファシストと連帯して「共同声明」を出し、戦旗の正当な行動を非難する凶暴なキャンペーンを組織した、いわゆる左翼、右翼そして軍国主義者のブロックを糾弾します。こうしたブロックの例は歴史上にいくつかありますが、現在最も悪名高いのはロシアにおける共産主義とファシストの連合、すなわち元スターリニストとファシストの連合です。日本の支配階級による民族主義に共鳴する左翼の一部が軍国主義者やファシストと共通の目標を見いだしたとしても驚くにはあたりません。この現象は、堕落したソビエト労働者階級の崩壊後における激化した帝国主義間対立を反映しているのです。
我々が知る限り、戦旗は、左翼内部の暴力に賛成する日本の多くの左翼グループの傾向とは常に一線を画してきました。そして、この破壊的な慣行をたびたび非難してきました。我々は労働運動内部におけるこうした共倒れとなる暴力に反対します。こうした暴力は階級敵に対する統一した行動を妨げ、さらに労働者階級が革命的展望に獲得されるために必要な異なった諸綱領の政治的明確化や対置を妨げるからです。競合する諸党派間での開かれた政治討論や意見のぶつかり合いは、権力へ向けて勝利する闘争において労働者を指導することができる真の革命的前衛党が優勢な位置をしめるためには欠くことができないのです。
左翼内部の暴力に反対することと、ファシストの脅威に直面して自己防衛の基本手段をとるという労働運動の基本的義務とを混同してはなりません。死の暴徒であるファシストを相手にする場合、ことは「言論の自由」の問題ではなく、自己防衛の問題です。かれらは単に反動的見地を公言する右翼イデオローグではありません。ファシストは殺人的テロに積極的に加担しています。かれらが目指しているものは、左翼、労働組合、移民そしてマイノリティーを破壊することなのです。
1930年代、ドイツにおけるファシズムの台頭に対抗して、レオン・トロツキーは、ファシストを阻止するため組織された労働運動による大衆的で戦闘的な統一戦線行動を起こすために闘いました。このことは、完全に政治的独立性を保ち互いの綱領を自由に批判しつつも、共通の敵を粉砕するため行動においては完全に統一していることを意味しています。
「共産党労働者は、社会民主党労働者にむかっていわなければならない。『われわれの党の政策はお互いに相容れないものなんだ。だがもし今夜、ファシストがきみの組織のある地区を荒らしにきたならば、わたしは武器を手にしてきみの応援におもむくだろう。わたしに約束できるのか、もしもわたしの組織をおびやかす危険が迫ったときに、わたしを助けに駆けつけてくれると?』これこそ現下の政策の精髄である」。(社会民主党労働者との対話…防衛統一戦線に関して 1933年2月23日)
たとえどんなに勇敢であろうとも、孤立した諸個人の行動によっては、ファシズムの脅威と効果的に対抗することはできません。トロツキーの伝統のなかで、我々の国際組織は、ファシストを粉砕するため大衆的で労働者に中心を置く統一戦線による動員を打ち建てる活動をしてきました。我々は、アメリカやドイツやカナダその他の国々において、ナチス、クー・クラックス・クラン、その他のファシストのくずを阻止したこのような動員を組織してきました。日本においてファシストの脅威に対処するためには、労働者、学生、左翼、移民そしてマイノリティーの力強い動員が必要となるでしょう。
戦旗はこのような大衆による階級的行動に期待してはいません。なぜならずっと以前に革命的変革の担い手としての労働者階級を捨て去ったからです。しかし、プロレタリアートのみが、徹底した国際主義の前衛党指導部のもとで、ファシストを阻止する社会的力もっているのです。この力によって資本主義の搾取と抑圧をきっぱりと終わらせ、新しい社会主義の国際社会を建設することができるのです。これがレーニンとトロツキーの「原則」であり、我々は今日誇りをもってこの二人の遺産の上にたっています。
戦旗がレーニン主義を公然と放棄し、一水会のような軍国主義者との議論も含めた「パラダイムチェンジ」に向かうことは、社会主義革命に向かって闘ういかなる展望をも捨て去ったことを正式に示しています。ファシストの粉砕を望み、レーニン主義のために闘いたいと思い、そして労働者革命によって日本帝国主義の支配を終わらせたいと望む戦旗のメンバーは、国際共産主義者同盟(第四インターナショナリスト)の革命的綱領とその実践に真剣に目を向けなければならない。
革命的に
スパルタシスト・日本グループ
1997年12月2日